下北沢・本多劇場で阿佐ヶ谷スパイダースの
「アンチクロックワイズ・ワンダーランド」を観てきました。
阿佐ヶ谷スパイダースの公演を観るのは5回目くらいで
その印象は「確実な物語性を持った正統派」というものでした。
しかし、今回の作品は、不条理で難解な物語。
時計の秒針の音から物語は始まり、
主人公である「作家」は、自分の作品への酷評に
悩み、苦しみ、堕ちてゆきます。
時間と空間、幻想と現実が入り乱れ、
同じ空間で会話しているように見えて
実は時間軸が異なっていたり、
ひとつの物語を一度ぐしゃぐしゃに分解して
角度を変えて再構成したような、
パズルのような、絵画のキュビズムのような舞台でした。
実験的で難しいお芝居でしたが、
「面白かった」という実感もたしかにあり、
もう一度観てみたいと思うお芝居でした。
その時には、また違う感想・印象を持つと思います。
木元竜